佐賀県の東部、神埼市に位置する「九年庵(くねんあん)」は、紅葉の名所として知られる観光スポット。毎年、春の新緑と秋の紅葉の季節にのみ一般公開され、貴重な絶景を楽しめる場所として人気を集めています。
今回は、九年庵の特別な紅葉の景色を存分に楽しめる方法をご案内します。
九年庵について

数奇屋造りの建物
九州の北西部に位置する佐賀県。その佐賀県の東部、神埼市に位置しているのが「九年庵」です。
明治時代に佐賀県出身の実業家、伊丹弥太郎(いたみやたろう)の別荘として創建されました。9年の歳月をかけて築造されたことから、のちに「九年庵」の呼び名がつき、1995年には国の名勝にも指定されています。
茶室と書院を備えた「数寄屋造り」と呼ばれる純和風の建築様式で建てられており、杉皮の土壁に竹格子の小窓、茅葺き屋根という、材料と材質にこだわった建物です。
歴史的財産と、ツツジやモミジ、苔などの自然豊かな景観が織りなす景色はまさに絶景。九年庵の周辺には、弥生時代の有名な遺跡「吉野ヶ里遺跡」もあります。
秋の九年庵を楽しむ方法
一年のうち数日間しか見られない、九年庵の貴重な秋の絶景を存分に楽しむためのコツをお伝えします。
まずは整理券を取得
一般公開期間中は、全国各地から多くの人が訪れるので、入園には整理券が必要です。午前8時ごろから本部テント(もみじの湯駐車場)で整理券が配布されます。入場制限がかかってしまうこともあるので、できるだけ早めに来園して、早い組の整理券を手に入れましょう。
本部から山道を登っていくと九年庵の受付があり、門から入園します。見学ルートに沿って九年庵を楽しんでくださいね。
混雑を避けるポイント

観光客で賑わう秋の九年庵
秋には紅葉の時期に関係なく、9日間の決まった期間しか公開されないため、公開期間は例年非常に混み合います。少しでも混雑を避けて九年庵をゆったりと楽しむため、混雑回避のポイントをご紹介します。
公開期間中の土・日曜と祝日は混雑が予想される為、平日に行くことがおすすめ。また、午前8時半開園なので、8時頃までに着けば待ち時間なくゆったりと楽しむことができるでしょう。
待ち時間が長くなりそうであれば、出店でご飯を食べたり、九年庵の隣に位置する仁比山神社を散策するのもいいですね。
九年庵の紅葉

九年庵の紅葉と苔
どこを切り取っても絵になる秋の九年庵。約6,800㎡の広い敷地が色鮮やかな紅葉で染まります。燃えるような紅葉の赤と、地面を覆う苔の緑のコントラストはまさに絶景。真っ赤に染まった落ち葉と、苔が織りなす景色は見逃せません。
例年、紅葉のピークは期間の最後に来ることが多いので、平日の最終日に訪れるのがおすすめです。
春の九年庵

春の九年庵
新緑が美しい春の九年庵。毎年ゴールデンウィークの数日間のみ一般公開されます。風の音や木々の香りに癒されて、鮮やかな新緑を楽しんでみてはいかがですか。公開期間は公式ホームページで確認できます。
九年庵周辺の紅葉情報
九年庵を訪れた際には、ぜひ周辺のスポットにも立ち寄ってみてください。秋の紅葉を楽しめるスポットや、佐賀県の歴史を感じられるスポットが九年庵の近くにありますよ。
仁比山神社

仁比山神社
九年庵に隣接した「仁比山神社」も人気の紅葉スポット。山の神、農業の神を祀り、地元の人からは「山王さん」と呼ばれ親しまれている神社です。
神社内にはモミジの古木が多くあり、春の新緑と秋の紅葉の時期は多くの人で賑わいます。
吉野ヶ里歴史公園

吉野ヶ里歴史公園
九年庵の一般公開の期間中は、「吉野ヶ里歴史公園」から無料シャトルバスが運行されます。日本最大級の弥生時代の集落の吉野ヶ里遺跡にぜひ一度訪れてみてはいかがでしょうか。
九年庵で大自然を楽しんだ後、吉野ヶ里歴史公園で日本の歴史を感じ、佐賀県を堪能してくださいね。
九年庵のアクセス
最寄駅:神埼駅
博多駅からのアクセス
【博多駅】- 福岡市直鉄空港線 / 福岡空港方面
→【福岡空港】- 連絡バス・西鉄バス / 佐賀第二合同庁舎方面
→【高速神埼駅】→ 徒歩約15分
福岡空港からのアクセス
【福岡空港】- 連絡バス・西鉄バス / 佐賀大に合同庁舎方面
→【高速神埼駅】→ 徒歩約15分
佐賀空港からのアクセス
【佐賀空港】- 連絡バス・佐賀市営バス / 佐賀駅BC方面
→【佐賀駅BC】- リムジンバス福岡空港線 / 福岡空港国際線方面
→【高速神埼駅】→ 徒歩約15分
特別な紅葉の景色を見に九年庵へ
公開時期が短く混み合う九年庵ですが、事前に準備しておくことで、紅葉の景色をゆっくりと楽しむことができます。一年のうち数日間しか見ることができない九年庵の貴重な絶景。今年の秋はぜひ訪れてみてくださいね。